アンケート企画vol.6 ギタークラフトマン・ 小田一貴|新型コロナと向き合うー文化芸術の力と想像力を支えにー

伊那谷サラウンドから、緊急アンケート企画をお届け!

新型コロナウィルスの脅威に、世界は今までにない苦難に直面しています。
そんな中、音楽やアート・文化的な活動をしている方々は、大きな打撃を受けていながらも、それぞれに工夫した過ごし方をし、多くの人に前向きなメッセージを送っている人もたくさんいます。
今回は、伊那谷サラウンドが今まで縁をしたアーティストや文化的活動をしている方々に「 新型コロナと向き合うー文化・芸術の力と想像力を支えにー」と題したアンケートを実施。
それぞれの方の声を、みなさんにお届けします。


6回目は
東京都世田谷区で、ギタークラフトやデザイン、楽器リペアなどを行う楽器工房を経営されている
株式会社L’s TRUST(エルズトラスト)代表 小田一貴さん。

小田さんは、お仕事はもちろん、同業の仲間や後輩の工房立ち上げなどにも尽力されています。
昨年の6月〜数ヶ月間は松川町飯島町に滞在し、
専門学校講師時代の後輩・小木曽佳純さんの工房「OGI FACTORY」の立ち上げに大きく携わり、
飯田下伊那の多くの人たちに、音楽を通した交流の場をつくってくださいました。
そんな小田さんの「今の声」をお届けします。

 


Q1. 新型コロナで、お仕事や暮らしにどのような影響がありますか?

この問題が大きく取り沙汰されるようになってから毎日ニュースを注視するようになりましたが、
2月26日に『イベントの2週間自粛要請』がいよいよ発表された時、これは本当に大変なことになると改めて感じました。
先立って大型音楽イベントやコンサートの自粛が相次ぎ、その影響は近く楽器業界にも波及するんだろうなという不安を覚えました。

業界自体も足並みが揃うはずもなく混乱していましたが、4月7日に公示発効された『緊急事態宣言』により、
ようやく皆が同じ方向に進み始めるスタートラインに立ったのではないかと感じています。
ただそれでも先行きは全く見えません。これは数ヶ月どころで終わる騒ぎには到底思えないのが現状です。

 

Q2. そんな中で、どのように過ごされていますか?対応されていますか?

世田谷区の工房は「ライブハウスFEVER」と同じビル内に所在しまして、自粛要請(2月26日)が発表されてからのFEVERの迅速な対応を見習い、弊社も2月末より時短営業→営業日数の削減→配送配達での対応→受付け制限、という段階を早め早めに踏みました。
世田谷区は人口90万人を超える東京都最大の特別区なので危機管理意識は高く持つように心がけています。

現在は基本的に在宅勤務、必要があれば週2日ほど自家用車での出社(単独/時間差)のみ許可、誰とも接触せずに業務を遂行するのが目標です。
これに関しては元々が予約制の小さな工房なので大きな混乱なく対応できたことが幸いでした。

※ 追記 4月16日『緊急事態宣言』の全都道府県拡大を受け、工房での対外的業務自粛を決定。

売り上げに関しては大きな打撃を受けますがそれは二の次です。それよりもお客様と働いてくれる従業員の感染リスクを最大限に減らし無くしていくことが第一です。
経営者が早々に補償を叫ぶ報道も有りました。
ただそれは経営者としてのリスクヘッジの領分でもあった筈ですし、まずはお客様と従業員の安全、引いては日本に住む皆のことを考えるべきなのでは、と。
自分のお店に来る途中の電車で感染するリスクも大きい。冷静になれば誰にでも分かることです。

それから業界一丸となって補償に関する問題提起と再建の対策を講じることが『音楽と楽器の文化』を守り、再始動させる最善且つ最速の方法なのかなと感じています。

 

Q3. この状況下で、何か始めたことはありますか?

誤解を恐れずに言えば「やらなくて良いことをやらない」努力、断捨離。

 

Q4. このような中で、オススメしたい音楽や映画・本は?

フォレスト・ガンプ(Forrest Gump /1994)
ユージュアル・サスペクツ(The Usual Suspects/1995)
スナッチ(Snatch/2000)
インターステラー(Interstellar/2014)
ですかね。

 

Q5. このサイトを見ている方々へメッセージをお願いします

全てをポジティブに捉えること。家族との時間、家に居る時間、働き方、生き方、
それらを個人も企業も根本的に見直すチャンス。そうすればどんな問題もひとつずつ解決できる。
忙しさにかまけず自分とゆっくり向き合える。自分を整えれば他人にも優しくなれる。
日常見逃していた感謝すべきことに気がつける。

多大な不安とストレスを抱えている人も多いと思います。自分も多少なりそうです。
何時間後にこの記事を読み返して「んなこと言ってる場合じゃねえよ」「何様だよ」と自分で突っ込んでいるかもしれません…苦笑

だからこそ、breakthroughして、surviveして、人間強くなるチャンスです。
またいつかライブコンサート・BBQ等、皆で一緒に爆発したいです。
今は最大限の感染予防、拡散阻止に努めましょう。

—美しい伊那谷での再会を願って。

 


小田一貴 Profile

1980年生まれ  広島県出身
株式会社L’s TRUST(エルズトラスト)代表
ギタークラフトマン/ギターデザイナー/楽器リペアマン
工房所在地 : 東京都世田谷区

2011年に株式会社L’s TRUSTを設立。数多くのミュージシャンの楽器調整と修理を手がけながらカスタムモデルの製作も行う。
13弦楽器NEMESIS2018年楽器フェア「GEN GUITAR AWARD」にて総合トップとコンセプト&アイデア賞の2冠を獲得。

 

〈Instagram〉https://www.instagram.com/luthiershill/

〈twitter〉https://twitter.com/lstrustco

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